茨城県水戸市のシンボルである偕楽園の千波湖は夏期にアオコの大量発生が見られ、浄化が課題となっています。千波湖の浄化には、アオコの栄養源となる窒素・リンを除去することが重要となります。
私たちは平成29年度アオコ対策実験事業の採択を受け、2017年8月~9月の夏期にボルテックス・ミキシング装置を用いて千波湖の浄化実験を実施致しました。下記の実験結果にて本装置による千波湖浄化の効果を是非ご覧ください。
湖や池などの水質浄化に限らず、屋内の水槽設備や屋外の水槽設備にもご使用頂くことが可能です。水産分野でも水質浄化目的でボルテックス技術が活用されております。
※「ボルテックス・ミキシング装置」とは、循環ポンプ・吸水管(IN)・給水管(OUT)・ボルテックスノズル・制御盤等を組み合わせた水質浄化用循環装置です。
技術コラム:
アオコが高濃度に集積する千波湖の東側の岸辺にて14m✕14mのエリアをシートで隔離水域を構築し、浄化実験区域としました。
この隔離水域内に4基のボルテックス・ミキシング装置を設置しました。
ポンプは日立製JD50X40C-E3.7を使用しました。
ポンプは湖岸に、ボルテックスノズルは湖底にそれぞれ4基ずつ設置し、ボルテックスノズルから吐出されるバブルが湖底の汚泥に接触するように配慮しています。
電源はポンプモーター用の200Vのみで、空気は自然吸引のためコンプレッサー装置などは不要です。シンプルで設置が容易な浄化装置が特徴です。
9日間連続稼働後の様子の写真です。
実験区域外ではアオコが大量発生しているのに対し、実験区域内ではアオコの発生が顕著に抑制されていることが明確になりました。
汚泥にバブルが接触するようにボルテックスノズルを湖底に設置したため、舞い上がった土壌により実験開始直後は湖水の透明度が低下しましたが、数日経過すると徐々に透明度が上がってきました。アオコの抑制にボルテックス・ミキシング装置の効果が顕著であることが明確に示されました。
24日間連続稼働後の様子の写真です。
実験区域内のアオコの抑制が維持され続けているだけでなく、透明度もさらに良化されて小魚やエビが泳ぐ姿が目視できるようになりました。特にエビは良好な水質環境を好みますので、実験区域内におけるボルテックス・ミキシング装置による水質浄化の効果を実感することができました。
バブルにより水中を舞い上がった土壌は、バブルにより土壌に含まれていた窒素・リンが除去された後に沈殿し、透明度が上がりました。
有機物による水質汚濁の指標値であるCOD(化学的酸素要求量)の値は、実験区域内にて8.25mg/Lから4.88mg/Lへと約40%もの低減が確認されています。
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