TECHNICAL COLUMN


#01 ▶マイクロバブルの大きさは?

ISO(国際標準化機構)規格において、マイクロバブルとは1~100μm(マイクロメートル)の大きさの泡であると定義されています。

人間の毛穴の大きさは約200μm、指紋の溝幅が約100μmですから、マイクロバブルはこれらより小さいサイズということになります。

#02 ▶なぜマイクロバブルは洗浄力が強いのですか?

水分子同士は高い水素結合力によって引き合っているため、水は表面張力が高く、細かな溝や隙間に入り込むことが出来ません。また、脂質でできた人間の肌や石油由来のプラスチック素材などは特に水をはじきやすい性質(これを「濡れ性が低い性質」と言います)があり、水だけでは十分な洗浄力をもちません。

しかしマイクロバブルは気体であるため、これらのような細かな溝や隙間、濡れ性が低い物質に対しても入り込むことができ、汚れを落とす洗浄力を発揮することができます。

これらマイクロバブルの持つ洗浄力は洗濯機やシャワーヘッドに活用されています。

#03 ▶シングルナノカプセルとは?

「シングルナノカプセル」とは弊社独自の呼び名で、ISO規格といった国際標準の呼び名ではありません。

ISO(国際標準化機構)規格における最も小さな気泡を指す呼び名は「ウルトラファインバブル」であり、ウルトラファインバブルとは直径1μm(マイクロメートル)未満の大きさの泡であると定義されています。1μm=1000nm(ナノメートル)ですから、1000nm未満はすべてウルトラファインバブルということになります。

弊社はこのウルトラファインバブルの中でも極めて小さい10nm未満の大きさの泡を高濃度で製造しており、この大きさの気泡をsingle nanometer-sized capsuleを略して「single nano capsule (シングルナノカプセル)」と独自で名付けております。

※single nanometer-sized = 1桁ナノメートルの大きさの

※capsule = カプセル(体細胞の隅々まで行き渡るイメージで、バブルではなく敢えて「カプセル」と名付けました)

#04 ▶ナノバブルはどうやって作るの?

ナノバブルを生成する方法として一般的に以下の方法がありますが、弊社は独自の製造方式にてナノバブルを生成しています

 

高速旋回液流式 気泡を水流と共に高速旋回させて細かく粉砕し、気泡サイズを小さくする方法。
 加圧溶解式  高圧環境下で水に気体を溶解させた後に減圧することで、水中に極小気泡を生成する方法。
界面活性剤添加微細孔式 界面活性剤を水中に添加することで気液界面張力を小さくし、極小孔からガスを噴出させてナノバブルを生成する方法。
超音波キャビテーション式 気体を溶解させた水に超音波エネルギーを与えることでナノバブルを生成する方法。

#05 ▶アオコとは?

水中の植物プランクトンが大量に増殖した現象のことを「アオコ」と呼び、「ラン藻」「シアノバクテリア」と呼ばれる植物プランクトンが主です。

田んぼの水の表面や金魚等の飼育水槽の中に発生する緑色の濁りは、アオコと似た色をしていますがアオコとは異なります。アオコは水深がある程度深い湖や湖沼、池で発生し、カビの臭いのような独特の悪臭を伴います。

アオコが大量発生は水中の生態系を乱し、魚介類にとって好ましくない水質環境となってしまいます。

 

#06 ▶アオコはなぜ発生するの?

 湖沼に窒素やリンなどの栄養物質が多く流入し、その栄養物質により植物プランクトンが大量に増殖します。これを「富栄養化」と言い、アオコ大量発生の原因になります。

湖沼に流れ込む河川は水とともに土砂も運んできますが、その土砂に窒素やリンが含まれているため、湖沼の水質は徐々に富栄養化が進むことになります。これに夏場の気温上昇が伴うことで、植物プランクトンの大量増殖に適した環境となりアオコの大量増殖が発生します。 

#07 ▶水質汚濁の指標は?

水質汚濁を汚濁物質の種類によって分類すると、有害物質汚染・有機汚濁・富栄養化現象・濁水・油汚染などに分けられます。

これらの汚濁物質の中で、ボルテックスを活用した水質浄化が有効なのは有機汚濁と富栄養化現象になります。

 

有機汚濁とは、水中の有機物質量が増大することによる水質汚濁であり、DO・BOD・CODといった指標が用いられます。

DO(溶存酸素量) 水に溶解している酸素の量。酸素の溶解度は水温、気圧、塩分濃度により異なるため、同じ水でも夏と冬で水温の異なる水では溶存酸素濃度は異なります。
BOD(生物化学的酸素要求量) 水中の有機物が、好気性微生物により酸化分解されるときに消費される酸素量。通常は20℃で5日間、暗所で静置した時の酸素消費量を指します。河川における有機汚濁の指標に用いられます。 
COD(化学的酸素要求量) 水中の有機物を酸化剤で科学的に酸化する際に消費される酸化剤の量を酸素量に換算したもの。湖沼・海域などの停滞しやすい水域や、藻類の繁殖しやすい水域の有機汚濁の指標として用いられます。

富栄養化は、肥沃な土壌や人間活動から大量に排出された栄養塩類(植物の栄養となる物質)が水中で増加する現象であり、全窒素・全リン・クロロフィルaといった指標が用いられます。

T-N(全窒素)、T-P(全リン) 富栄養化の代表的な原因物質。植物プランクトンなど植物の三大栄養素である窒素・リン・カリウムのうち、カリウムは比較的天然に多く存在するため窒素とリンが富栄養化の主な原因となります。
クロロフィルa クロロフィルaは光合成細菌を除くすべての緑色植物に含まれるため、水中の植物プランクトン量の指標として用いられます。